|
一般質問 質問内容
発言の機会を得ましたので,以下県政の今日的課題3点にわたって質問いたします。
まず,志賀原発臨界事故と隠蔽,そしてその後の対応についてうかがいます。
原子力発電の3大安全目標は,“止める,冷やす,閉じこめる”であると言われています。今回の臨界という事故は,このうちの“止める”機能が破綻したことを示しており,核分裂連鎖反応の制御という原発安全性の中でも最も基本に関わる重大な事故であります。そして,8年もの間これを隠し続け,国や県に報告を行わなかったことは,ただただ自社を守ることのみに心を置き,国民・県民を愚弄し続けてきた行為といわざるを得ません。
北電発表の翌日,県議会定例会閉会日,知事から,北陸電力に対しては運転停止と徹底調査の指導を行ったこと,そして,原子力安全・保安院には北陸電力に対する厳正な指導監督と原因究明,再発防止策の構築を要請した旨の報告が行われました。そして,3月27日の石川県原子力環境安全管理協議会での「信頼は溶融しかかっている」との表現による知事の厳しい情勢認識は石川県民共通のものであったと思います。
しかしながら,その後の北陸電力の事故報告書の内容,原子力安全・保安院の調査報告書,石川県原子力環境安全管理協議会とそれまでに3回開催された事故等専門員会の議論,これらの内容を見たとき,果たして事故とその隠蔽の実態が明らかにされたのかといえば,徹底究明と言うにはほど遠いと言わざるを得ません。そして,もうすでに運転再開に向けた幕引きにかかっているのではとの,県や国に対する不信の声も聞こえてくるのであります。
質問の1点目は事故そのものの重大性に対する認識についてです。
安環協の議論では,事故ではなく事象であるとか,そもそも原発運転中は臨界状態であるなど,重大性の認識に欠ける発言も出ております。この事故は,通常運転時に維持されている遅発臨界とは全く異なる,即発臨界すなわち核分裂の暴走であったと言われております。3月15日北電発表直後の県の認識は今も変わりはないのか,まず知事にお聞きいたします。
2点目は構造の問題です。この志賀原発1号の公表をきっかけに,沸騰水型原発を持つ他社でも同様な制御棒脱落事故が10件も起こっていたことが明らかになりました。様々のパターンで制御棒の引き抜けが起こっており,弁のわずかな操作ミスが,容易に臨界事故という重大な事故にもつながっています。同様な事故が会社を超えて繰り返し起こっていることからも,制御棒駆動機構に大きな欠陥があることは明白です。そしてすべてに共通していることは,沸騰水型であるということです。この沸騰水型は,重力に逆らって制御棒を上向きに挿入するしかないこと,また,ホウ素によって停止状態を維持できる加圧水型と異なり,原子炉の停止装置が制御棒しかないこと。そして,制御棒1本1本手動で弁の開閉を行う複雑な水圧制御などの特徴を持っております。
報告書では,事故の原因を現場作業員の責任,手順のミスに矮小化し,今後の対策は手順の厳正な遵守しかないとしておりますが,今述べたように沸騰水型の構造的な欠陥は明らかなのです。県民の側にたち安全を追求すべき危機管理監が,一昨日のように構造的欠陥はないと言い張り,苦しい答弁を繰り返しているようでは,信頼どころか県民の不信は増すばかりであります。欠陥ではないというのであれば弱点や欠点があるという認識もないのでしょうか。ここからスタートし,対策を講じない限りミスは繰り返され,またもや重大事故へとつながるのです。現に,この5月には東京電力福島第一原発で弁の手順ミス,6月にも東北電力女川原発一号機で制御棒8本が想定以上に引き抜けを起こしています。再度見解を求めます。
3点目は,隠蔽の実態・核心が北電の報告書から見えてこないことです。
中央制御室のコンピュータが打ち出したアラーム・タイパーの重要部分の原本は見つかっておらず,関与者についても不明,また,中性子束モニタの記録計チャートに「点検」と書いて偽装した,その記載時期と関与者も不明との報告ですが,このような意図的で重大な行為を当事者が忘れるとは考えられません。また,深夜のテレビ会議を開催しながら,誤信号であったとの結論がすぐに了承されたことやこのように重大な事故を本社の関与なしに発電所長の判断によって隠蔽を決めることがあり得るのか。疑問は深まるばかりであります。県はこのような杜撰で甘い報告で真相が究明されたと考えているのでしょうか。調査の継続を求めるべきと考えますが,見解を伺います。
4点目は,再発防止の実効性についてであります。
北陸電力から再発防止対策の具体的行動計画が示されておりますが,内容は極めて精神論的な印象であります。会社に都合が悪いことは隠し,これを8年間も続けてきたという企業風土を改革することはそう容易に行えるとは考えられません。隠せない仕組みとして,発電所情報を常時オンラインで国と原子力本部へ伝送するとしていますが,第三者がアクセスできるような仕組みを求めるべきではありませんか。また,トラブル対策会議のボイス・レコーダーの必要時の使用があげられていますが,航空機のフライト・レコーダーとボイス・レコーダー並に,原発でのアラーム・タイパーと中央制御室内のボイス・レコーダーの常時記録と保存を求めるべきではありませんか。見解をお聞かせ下さい。
5点目には,国の原子力安全・保安院からの行政処分についてです。
住民の生命を危険にさらす可能性のあったこの重大な事故とその隠蔽,沸騰水型原発の制御棒駆動装置の重大な構造的欠陥は原発の設置許可の取り消しに相当するものであると思います。しかしながら,5月7日に確定した行政処分は,実質的にはお咎めなしの甘い処分でありました。この内容について県はどのような評価をしているのでしょうか。所見をお聞かせ下さい。
これまでの市民団体等の県への申し入れに対しては,国の処分に対して甘い・厳しいという立場にないとの見解を示していますが,新潟県の原子力安全対策課は東京電力への行政処分等に対する知事コメントを発表し,この中で,「保安規定の見直し命令だけで自立的に組織体質の改善が図られるのかは,不透明であると言わざるを得ない」と述べております。原発を抱える地方の声を集約し,総意として国に届けることも必要と考えますが,他県との連携した国への働きかけについて知事の見解を伺います。
次に,北陸新幹線の用地買収と中央自動車学校の廃業に関してお伺いいたします。
さて,金沢市の中央自動車学校が北陸新幹線建設事業のための用地買収に伴い,会社を解散し,約70名の従業員を全員解雇するという事態が起こっております。
本年3月16日会社が組合に対し一方的に廃業を通告し,4日後の3月20日に教習生の入校停止,4月20日に嘱託従業員の雇い止め,5月18日に正式に解雇通知書の送付,6月20日をもって会社解散を行いました。組合はいったん解雇を撤回した上で,労使協議・合意の上で会社の将来を決めるよう求め続けてきましたが,会社は聞く耳を持っていませんでした。
ところで,北陸新幹線の用地買収については,独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から業務委託された石川県が平成17年末から会社との用地交渉を行ってきました。この中では,自動車学校の事業継続を前提として,土地代以外にも,教習コースの改修費用,工事期間の営業補償,その間の従業員の賃金や一時金も含む休業補償など,すべての補償として約7億円が会社に支払われます。しかし,会社は,この補償金を会社の膨大な債務超過につぎ込んで,債務を0にしたうえで,残りをわずかな退職金に当てるのみですまそうとしております。
このような事態に至っている会社および従業員への県の対応について何点か伺います。
公共事業は国民全体はもとより地域住民全体の利益のために行うものであり,その用地取得は関係者の理解無くして推進はあり得ません。北陸新幹線建設についても同様であります。今回の用地交渉を進めてきた県は,中央自動車学校が廃業に追い込まれ,70名もの労働者の雇用が失われる事態に至ったことについて,責任の一端があると考えます。知事の見解を伺います。
このような状況に対して,県と鉄道運輸機構に会社の事業継続を行政指導することを要請する署名活動が行われ,6月21日現在で28,724筆,その後も続々と支援の署名が寄せられていると聞きます。このような県民の関心と不審の広がりについて,その重みをどのように受け止めておられますか。認識を伺います。
会社が7億円もの補償金を自らの借金につぎ込むことについて,会社は,鉄道運輸機構の「契約書上使途を制限する規定はなく,関知するところではない」との念書を盾にして「補償金は何に使っても良い」と正当化しています。しかし,この7億円は県民を含む国民の血税に他ならず,企業継続の前提に立った基準により,従業員の賃金・一時金を含めて算出・支出した補償金を,その契約の内容に反して,私企業の放漫経営によって生じた膨大な借金の穴埋めに使ってしまうことは,まっとうな県民感情からして到底理解しがたいと言わねばなりません。「法にふれなければ何をやっても良い」という,まさしく脱法行為,詐欺に等しい行いと言うほかありません。県として,このような会社の行為は道義的・社会的に正当であると考えますか。見解を伺います。
会社は,廃業の理由として,改修後の教習コースの問題点を挙げていますが,そもそもこの案は公安委員会も基準に適合することを認めています。できる限りコース面積を確保したいのであれば,市道の換地などによる工夫もできるはずですが,そのような提案・努力は一切していません。市道の換地については交渉もせず「補償が出ない」と決めつけていますが,このような主張は間違いないのでしょうか。伺っておきます。
次に,会社が廃業とともに教習所の指定を返上してきた場合の県公安員会の対応についてですが,現在会社と組合が今回の問題について裁判で争っており,その結果如何によっては,会社の今回の行為が労働組合法に違反する不当労働行為と認定される可能性がある以上,指定の返上をいったん凍結すべきであると考えます。公安委員長の見解を伺います。
さて,7億円のうち現に支払われたのはその7割であり,残りは,売却した土地を更地にした段階で支払われる契約になっております。現在70名の労働者が雇用を失う危機にある以上,この残り3割の補償金の支払いをいったん停止し,すでに支払った補償金の返却を会社に求めるか,解雇を白紙に戻し労使の話し合いによって会社の将来を決めるよう指導すべきと考えます。見解をもとめます。
現在大きな問題となっているコムスンについても,経営者が違法行為をくりかえした挙げ句,同系列の会社に事業譲渡して処分を逃れようとしたのに対して,当初,法的に問題がないとの見解であった厚生労働省は,社会的な批判にさらされ,違法とはいえなくても道義的に許されない脱法行為は認められないとの姿勢で行政指導を行いました。石川県も同様な理念の元,コムスン対策を行っています。
中央自動車学校の経営者は8年間にわたり不当労働行為を繰り返してきた人物であることは県も十分承知のはずです。この経営者が7億円もの補償金を手に入れて,70名もの従業員を路頭に放り出したのです。県の公正な判断と対応を期待し,社員の皆様も傍聴に来ておられます。県民の雇用と生活を守るべき県は,行政としての道義的責任を果たすべきです。今後県は「契約とはそのようなもの,法的に問題なし」との見解でなんら対策をとるつもりはないのか最後に伺っておきます。
次に,一昨日,国会において強行採決され成立した教育関連3法の影響についてお伺いをいたします。
まず,改正教育職員免許法についてです。
平成16年6月の定例会において,知事は,教員免許については国家試験をするぐらいのハードルが必要であるとの思いを語られました。そのとき,「現在は粗製濫造」との知事の発言に,私は抵抗いたしましたが,教員養成の重要性と充実の必要性については同じ思いであります。しかし,今回の法改正においては免許を最初に取得する段階である教員養成には触れず,免許の更新に伴う講習によって資質の向上と維持をはかるとしております。
現職110万人の教員が10年に一度,30時間の講習を受ける。そして,その受講結果如何よっては免許を失効することもありうるという制度ですが,具体的内容がほとんど決まってはおりません。更新できるか,即失職を意味する免許失効になるか,この重大な判断が行われる講習は高い客観性が要求されます。しかし,講習はニーズに応じた内容にすると国会答弁がされております。講習内容が地域や個人で異なり,明確な基準もない中で更新か失効が判断されることになるのではないか。恣意的な判断が入り込む懸念はおおいにあります。一方,客観性を担保しようとすれば画一的内容になり,ニーズに合った講習にはならないという矛盾は解消されません。理解に苦しむ制度と言うほかありません。必要なときに必要な内容の研修を行うという基本に立てば,10年に1度の免許更新時の講習よりは日常の校内研修や教育センター研修,自主研修充実の方が,教員の資質向上にとって有効であることは明らかです。毎年30億円の費用が必要だと政府もいうこの制度の目的と実効性についてどのような感想をおもちか,知事および教育長に伺います。
安倍首相の「ダメ教師は消えていただく」の一言で,議論も尽くされぬまま成立した免許更新制,締め付けと脅しのこの制度が現場教員のモチベーションを高めるとはとうてい考えられず,教員をめざす意欲ある若者を増やし,有為な人材を確保する方向に作用しないことも容易に予想されるのです。教育長はこの制度が教員の資質を向上させ,総体として教員の教育力を高めることにつながるという国と,哲学を共有しているのでしょうか。率直な見解をお聞かせ下さい。
また,この更新時講習は各県の大学で行うことになっておりますが,その運営や事務などは教育委員会事務局が担わなければならないと推察されます。石川県においては,年間1000人にも及ぶと考えられる更新事務を取り仕切る石川県教委に,それに見合う人員と時間の余裕はあるとは思えません。混乱は必至です。各都道府県の対応について国からの問い合わせ,あるいは説明はあったのでしょうか,お尋ねします。なかったとすれば,詳細が決まっていない今こそ,教育委員会や学校の現場サイドから意見を届け,現実にあった対応を国に求めるべきです。混乱が予想されるのに,ただ国の指示を待つことになるのでしょうか。都道府県教育長会等を通じて,当面の実施凍結を含め,国に具体的提案・要請をする予定はないのかお尋ねします。
次に,地方教育行政法の改正にかかわってです。
教育基本法の内容と,それに基づく法改正の流れは教育の地方分権を阻害することになるのではないかとの,私の2月定例会での質問に対し,知事は,「教育改革関連法が,分権という流れに逆行するものであるのかどうか。そのことについてはいずれ法案という形でこれがあらわれてくるというふうに思いますので,今後,国会でも十分論議をしていただきたい。」と答弁されました。
しかし,地方教育行政法は,教育の地方分権を進めるとしながら,国の責任の果たし方として,教育委員会への是正・改善の指示や要求など国の関与を強化するという改正がなされました。この法律が言う分権の推進の内容は,「教育委員の数を弾力化し,教育委員への保護者の選任を義務化する。」「文化・スポーツの事務を首長が担当できるようにすることとする。」「県費負担教職員の同一市町村内の転任については,市町村教育委員会の内申に基づき、都道府県教育委員会が行うこととする。」というものであります。どこが分権の推進なのでしょうか。
国は,ナショナルミニマムとしての学級や教職員の最低限の定数等を定め,地方交付税等により教育予算の配分を増額する。そして,地方は施設設備や人的配置,その他地域の実情に応じた教育条件整備や有効な施策を実施する。というのが教育における地方分権ではないでしょうか。
しかし,教育予算の充実は不透明であり,この法改正により地方の自由度は増すとは思えません。
教育の地方分権とは何をさすのか。また,今回改正された地方教育行政法はその分権を推進する事につながるのか。また,今後の分権推進のために国に何を求めていくのか。知事および教育委員長,教育長それぞれの立場における見解を求めます。
もう一つは学校教育法の改正内容についてです。
ここでもさまざまの疑問と懸念がありますが,特に新しい職の設置についてお尋ねいたします。
改正内容では,新たに副校長・主幹教諭・指導教諭という職を置くことができるとしております。目的は組織運営体制や指導体制の確立を図るためとされております。まず,石川県として新たな職の設置の必要性を国に対して求めたことはありますか。教育長に伺います。
現在,職としてではありませんが主任という組織運営上の位置づけをされた教員が学校にはいるわけでありますが,さらに支持命令系統のラインを強化する新たな職は必要でしょうか。県内には,どうしてもそのような職を必要とする学校はないと思いますがどうでしょうか。
学校組織は,さまざまな年齢と性別,そして個性と適正を持った教職員が適材適所で校務を分担するスタッフ組織が有効であり,そのような組織の中で教師集団のチームワークが強化され,活力ある学校が実現します。いたずらに役職を増やし,上意下達式のラインが強化された組織は,管理的で硬直したものになり,教職員個々が持つ能力を発揮できないのではないでしょうか。まして,教職員の増員を伴わない新たな職の設置は,持ち時数等で一般教職員にしわ寄せが行くことになる懸念もあり,多忙化の中でますます教職員と子どもを遠ざける結果となるのではないでしょうか。
現在,民間企業等においてもさまざまな組織論が存在し,従来のピラミッド型の組織運営によらない形で業績を伸ばしている例も多数紹介されています。
これもまた,一律に国の方針に従うのでなく,分権の発想に立って石川県独自の学校組織論があって良いはずです。今後の学校運営組織の在り方について,教育長の見解を求めます。
今回の法改正により,教育の目的として,規範意識の向上に向けた様々の態度の育成がうたわれております。しかし,最も教育的な方法は,法律で定めることではなく,企業や行政,政治にかかわる大人が真面目に働くことであり,不正を許さず,ごまかさない姿勢を見せることであります。このような視点に立ってすべての質問に答弁されることを期待し,私の質問を終わります。ありがとうございました。
◎知事(谷本正憲君) 盛本議員の一般質問にお答えいたします。
第一点は、志賀原発のいわゆる臨界事故についての御質問であります。この志賀原発一号機の臨界事故につきましては、事故の発生あるいはこの事実を八年間もの間隠し続けていたことは原子力に対する信頼を覆すものであります。まことに遺憾だということでありまして、今もその思いに何ら変わりはないわけであります。
県では、報告のあった当日直ちに志賀一号機の運転停止と原因究明、再発防止対策の徹底を北陸電力に厳しく指導したところであります。先月の十四日には臨時の原子力環境安全管理協議会を開催いたしまして、北陸電力から詳細な説明を受けると同時に具体的な再発防止対策の策定を求めたところであります。また、国でも保安規定の変更命令、そしてスケジュールを含めた具体的な再発防止対策の策定指示が行われたわけであります。北陸電力ではこれを受けまして先月の二十一日、国、県に対して隠さない風土づくり、安全文化の構築などを図ることを目的とした二十八項目から成る再発防止対策の具体的な行動計画が提出をされたところであります。
原子力の安全規制については国が一元的に権限と責任を持っております。まず国のほうでは、保安検査等を通じて厳格にその内容や実施状況の確認を行っていく、こういうことにいたしておるわけであります。県としても国とよく連携をいたしまして立入調査あるいは安全管理協議会を通じてしっかりと検証をしていかなければいけませんし、そして北陸電力には再発防止に万全を期すように強く求めてまいりたい、このように考えております。
次に、北陸新幹線の用地買収と中央自動車学校の廃業についての御質問がございましたが、まずはこの新幹線の用地取得は県が独立行政法人、いわゆる鉄道・運輸機構から委託を受けて業務を行っておるわけでございます。用地交渉に当たりましては、国が定めた全国一律の補償基準に基づいて用地交渉を行っているわけであります。交渉が成立をした場合は当事者である鉄道・運輸機構と地権者との契約がなされると、こういうことであります。今回の中央自動車学校についてもこの補償基準に基づいて補償等を行ったと、こういうことであります。
一方、従業員の解雇や賃金といった労使関係の問題の解決に当たりましては、労使双方の意見を十分聴取をし事実関係を詳細に把握した上でさまざまな角度から慎重に検討されるべきものと、このように考えておりまして、そのために労働委員会というものが用意をされているわけであります。既に従業員側からこの労働委員会に対し不当労働行為救済の申し立てがなされているところでありますので、私どもとしては労働委員会において適切な審査が行われることを強く期待をするものでございます。
次に、改正教育関連三法についての御質問がございました。子供さん方の規範意識や道徳心の欠如、あるいは学ぶ意欲の低下、いじめ、不登校など教育をめぐるさまざまな問題を解決するには教師の教育への情熱や使命感、さらには指導力によるところが大変大きいというふうに思うわけであります。
今回、教員免許の更新制が導入されるということになりましたが、国際化が進み、価値観が変わり、自然科学が進化をする。世の中が時々刻々変化をしておる中で、教員がその時々に必要な知識、技能を確実に身につけるということは教育の充実を図る観点から極めて重要だと思うわけであります。このためにすべての教員が自信と誇りを持って教壇に立ち、そして社会の尊厳と信頼を得ることができるように十年に一度、資質能力を刷新をする教員免許更新制が導入されたと、このように理解をいたしておるわけであります。今後、国において詳細な制度設計が行われていくものというふうに思いますけれども、より実効性の高い制度となるようにぜひこれはまじめに真剣に検討を重ねていただきたい、このように思うわけであります。
次に、教育の地方分権についての御質問がございました。当初議会でも申し上げましたとおり、地方の教育行政を進めるに当たりましては各地域が当事者意識と責任を持って教育に取り組むことができるようにいわゆる分権型の教育の仕組みをつくるということは不可欠であります。そのためにはまず国と地方の責任を明確にする。各地域がそれぞれの実情に応じて創意工夫や主体性を発揮できる仕組みをつくるということが必要だというふうに思うわけであります。今回改正された教育基本法では、教育行政は国と自治体との適切な役割分担、相互の協力のもと公正かつ適正に行わなければならない。そのために国は全国的な教育の機会均等、教育水準の維持向上を図るために教育に関する施策を総合的に策定、実施をしなければならないということになっております。また、自治体はその地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定をし、そしてこれを実施しなければならない、こういうことになっておるわけであります。これを受けて今回、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正が行われたということであります。教育委員会の責任体制の明確化や体制の充実、教育における国の責任の果たし方に加えまして、教育委員の数の弾力化や文化・スポーツの業務を首長が担当できるようにするなど、教育における分権推進のための改正も行われておるわけでございます。
改正された教育基本法、そして今回成立をいたしました、いわゆる教育改革関連三法の目指すところを真に実効性のあるものにし、地方が地域の実情に応じた教育施策を展開できるようにするためにはまだ不十分だと思います。それを保障する財政的、人的な基盤を強化する必要があろうと思います。今後、国に対してさらなる税源移譲を含めた地方税財源の充実強化もこれからあわせ求めていかなければいけない、このように思うわけであります。
○副議長(下沢佳充君) 桶屋危機管理監。
〔危機管理監(桶屋幸蔵君)登壇〕
◎危機管理監(桶屋幸蔵君) 志賀原発につきまして五点お答えいたします。
一点目は、構造的欠陥についてのお尋ねでございます。原子力の安全規制に一元的に権限と責任を有します原子力安全・保安院によりますと、今回の制御棒の引き抜けは作業手順のミスによるものでございまして、適切な手順書を整備し管理を徹底することがなされれば事故につながらず、設備上の問題があるとは言えないとしております。県といたしましても同様に考えておるところでございます。
構造上の問題はないということでございますが、北陸電力では再発防止対策を一層確実にするため、制御棒を駆動する水の圧力の警報、これは従来は制御棒を駆動するための水圧が高くても低くても同じ警報が出るそういう設備でございましたけれども、今後は高い場合と低い場合を区別しまして警報が出る。そしてそのことによって運転員が容易に水圧の状態を把握できるようにする。そういう措置を講ずることといたしておるところでございます。
いずれにいたしましても、適切な手順書を整備し管理を徹底することが最も重要なことであるということから、県といたしましても国と連携し立入調査などにより、しっかり確認していきたいというふうに考えております。
なお、五月に起きた二件の事案についてでございますが、保安院では一連の制御棒の引き抜け事案を踏まえまして報告すべきトラブル対象を拡大する旨の法令改正を行っております。東京電力の福島第二原発の三号機、東北電力の女川原子力発電所の一号機、こういった事案につきましては安全上問題がなく、報告すべきトラブルには該当しないとしているところでございます。
次に、北電の報告書についてでございます。北電の報告書では議員御指摘のとおり、一つにアラームタイパーの原本が所在不明になっている。二つ目に中性子束のモニター、これの記録計のチャートに点検と書いてあって事故の記録を改ざんしてあるということ。それから三つ目に、所長の判断によって事故の隠ぺいが行われているということが記載されております。こういうことが行われました企業の体質が原子力に対する、あるいは北電に対する信頼を覆すことになったのではないかというふうに考えております。こういった北電の報告に対しまして、去る三月十九日から四月の五日にかけまして保安院におきまして特別な保安検査が行われたところでございます。これによりまして、北陸電力が臨界事故を隠ぺいした原因としております工程を優先する意識、それから社内では議論できない組織の風土、また意思決定に係る閉鎖性、決定プロセスの不透明性、こういう隠ぺいに係る原因究明がなされているということが確認されたところでございます。
県といたしましては、五月十四日に臨時に開催した安管協におきまして北電及び保安院から説明を受けまして協議会としても確認したところでございます。
このため三点目でございますけれども、北陸電力においては隠さない、隠せない仕組みの構築といたしまして、発電所の重要な情報、例えば中性子束でありますとか制御棒の位置、原子炉の水位であるとか圧力、こういった重要な情報をオンラインで伝送すること。二つ目に、すべての異常の事象を報告すること。三つ目に、アラームタイパーの記録を保存すること。四つ目に、トラブル対策会議におきまして速やかに通報する必要があるものについてはボイスレコーダーを使用する。こういったことに取り組むことといたしております。こういう取り組みについて、今後国と連携しながら確認をしていく必要があるというふうに考えているところでございます。そして、これらの取り組みが確実に実施され、隠さない風土づくりの構築がなされることによりまして、御指摘の第三者がアクセスできる仕組みでありますとか中央制御室内のボイスレコーダーの設置、こういったことまでは必要ないのではないかというふうに考えているところでございます。
四点目は、保安院の行政処分についてでございます。原子力安全・保安院では、五月の七日に北電に対し保安規定の変更命令という行政処分を行っております。内容は、まず一つ目に経営責任者による安全確保に対する関与を強めること。二つ目に、原子炉主任技術者の独立性を高めること。三つ目に、作業手順書等の遵守と関係者への徹底を図ること。四つ目に、アラームタイパーの保存をすること。こういったことについて保安規定を変更することが命じられたところでございます。甘い処分ではないかという御指摘でございますけれども、志賀原子力発電所一号機は処分の時点におきましては安全が損なわれているような保安規定に違反する事例が見られないということから、こうした処分になったものと聞いております。
県といたしましては、今回の行政処分は安全規制について一元的に権限と責任を有する保安院が厳正に審査して判断を下したものというふうに受けとめているところでございます。
最後に、国への働きかけについてでございます。県といたしましては、これまでも原子力発電所の立地道県から成る原子力発電関係団体協議会を通じまして国に対し要望、要請を行っているところでございます。今回も事案の重大性にかんがみまして、さきの四月の五日、この協議会を通じて国に対し万全の再発防止対策の構築、そしてその確実な実施について電力業界全体で徹底した取り組みを行い、厳正な指導監督を行うよう求めたところでございます。
以上でございます。
○副議長(下沢佳充君) 荒井企画振興部長。
〔企画振興部長(荒井仁志君)登壇〕
◎企画振興部長(荒井仁志君) 北陸新幹線の用地買収の補償金の使途に関する御質問でございます。中央自動車学校に係る今回の補償契約につきましては、国の定めた損失補償基準に基づいて締結がなされたものでございます。この契約の当事者は鉄道・運輸機構並びに地権者でございまして、また契約内容といたしましては物件の移転等は求められておりますが、仮に営業が継続されなかったとしても補償金の返還を求めることはできないということとされております。
次に、中央自動車学校の改修後の教習コースの大きさなどにかかわる問題点等についての御質問でございます。改修後の教習コースにつきましては道路交通法等の関係法令で定める指定自動車教習所の要件を満たしているものと承知をいたしておるところでございます。
最後に、補償金の支払い停止並びに既に支払った補償金の返却、また解雇を白紙に戻すよう会社を指導すべきであるとの御質問でございます。補償金の支払い停止や既に支払った補償金の返還につきましては、契約の当事者でございます鉄道・運輸機構によりますと契約金の返還を求めることはできないものとされておるところでございます。また、労使間の問題につきましては現在労働委員会に不当労働行為救済の申し立てがなされておるところでございまして、この労働委員会において適切に審査がなされるべきものであると、このように考えておるところでございます。
以上でございます。
○副議長(下沢佳充君) 新村教育委員会委員長。
〔教育委員会委員長(新村健了君)登壇〕
◎教育委員会委員長(新村健了君) 教育の地方分権についてお尋ねがありました。
知事の答弁にもありましたように、教育における地方分権を進めるには国と地方の責任を明確にし、各地域がそれぞれの実情に応じて創意工夫や主体性を発揮できるそういう仕組みをつくることが必要であると考えております。今回の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正におきましては、教育委員の数の弾力化など地方の裁量の拡大が図られました。また、教育委員に保護者の代表を選任することを義務化するなど地域の実情や保護者のニーズに応じた教育施策が展開できる所要の改正がなされたところであります。しかしながら、地域の実情に応じた教育施策を展開するためにはその基盤となる財政的、人的な裏づけが必要であり、今後国に対しそれを保障する教育予算の一層の拡充や教職員定数の改善などを求めていきたいと考えております。
以上であります。
○副議長(下沢佳充君) 中西教育長。
〔教育長(中西吉明君)登壇〕
◎教育長(中西吉明君) まず、教育免許の更新制度についてお答えをいたします。先ほども知事から答弁がございましたが、免許更新制は教員が社会構造の急激な変化等に対応して最新の知識、技能を身につけ、自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得られるようにするという目的で設けられたものと認識をいたしております。この制度の導入によりまして、本県の教員が十年に一度基礎的な資質能力を刷新できるような実効性ある制度設計が行われることにより、さらに教育力の向上に資することになることを期待しております。
次に、更新講習制度についてこれまで国からの説明はございませんでしたが、今後実施に向けた詳細について説明会等があるものと思っております。その詳細が明らかになっていく各段階で必要があれば国に対して全国都道府県教育長協議会等を通じて提案や要望を行ってまいりたいと考えております。
次に、教育の地方分権についてでございますが、これも先ほど知事や教育委員長の答弁にもございましたが、教育における地方分権を進めるには国と地方の責任を明確にし、各地域がそれぞれの実情に応じて創意工夫や主体性を発揮できる仕組みをつくることが必要であると考えております。教育委員会の事務をつかさどる現場の責任者としては、地域の実情に応じた教育施策を展開するためにはその基盤となる財政的、人的な裏づけが何よりも必要であると考えておりまして、今後国に対し、あらゆる機会を通じてそれを保障する教育予算の一層の拡充や教職員定数の改善などを強く求めていきたいと考えております。
最後に、新たな職の設置についてでありますが、県教育委員会といたしましては昨年度から民間有識者にもお入りをいただいて学校の組織運営に関する調査研究会議を設置をし、新しい学校の組織運営のあり方について検討を始めたところでございます。その会議におきまして、学校組織を活性化し学校が直面するさまざまな教育課題に対応するため、職務権限を持った新たな職が必要である。あるいは現状では教頭にかなり負担がかかっており、教頭の職務権限を明確にした上で教頭を補佐する新たな職が必要である。さらには主任間の横の連携が必ずしも十分に行われていないので各主任を束ねる新たな職が必要であるなどの意見をいただいているところでございます。
こうした中、本年二月に開催された中央教育審議会において全国都道府県教育長協議会を通じて、副校長や主幹は組織的、機動的な学校運営のため、また指導教諭は教育の指導力の継承という観点から有効なものであるとの意見を申し述べたところでございます。今後、法改正されたことから調査研究会議において今後さらに具体的な課題について議論を重ね、新たな職の設置に向けて着実に準備を進めていきたいと考えております。
以上でございます。
○副議長(下沢佳充君) 大井公安委員会委員長。
〔公安委員会委員長(大井一星君)登壇〕
◎公安委員会委員長(大井一星君) 指定自動車教習所の指定の返上についてお答えします。
中央自動車教習所につきましては、昭和三十七年四月、道路交通法に基づき当公安委員会が指定自動車教習所として指定いたしておりましたが、本年六月二十日、設置者から廃止の届け出がなされ、これを受理いたしております。
一たん凍結すべきではないかとの御質問ですが、道路交通法上自動車教習所が廃止されたときは速やかに公安委員会に届け出なければならないと定められており、今回設置者から法に従った届け出がなされたことから当公安委員会としてこれを受理したものであります。
以上でございます。
〔盛本芳久君発言を求む〕
○副議長(下沢佳充君) 盛本芳久君。
◆盛本芳久君 自席から再質問させていただきます。
中央自動車学校の件についてですけれども、法律に違反をしていないということでありますけど、違法ならこれは話にならないわけですが、法に合っていてそれが抜け道があって、その抜け道を確認をして、そしてこういう行為を行ったという非常に悪質なこういう法にかなっている行為だからこそ県が対策をしなくちゃならないんじゃないかということを私は言いたいわけでありまして、その点、県ができることがあるんじゃないんですか。知事どうですか。
○副議長(下沢佳充君) 谷本知事。
〔知事(谷本正憲君)登壇〕
◎知事(谷本正憲君) これはなかなか難しい問題だというふうに思います。我々は北陸新幹線を整備をしなきゃいかん。そのことを国に強く要望をしておるわけであります。そして、国としては新幹線のまず用地取得をしなきゃいかん。それを我々が委託を受けてやっている。だから、あの土地は新幹線を整備するためには是が非でもこれは必要な土地であります。そのためには適切な補償を地権者にこれはしてさしあげないと用地を取得することができない、こういうことでありますので。そのお話と、もう一つは労使の関係のお話というのはこれはやっぱり別の次元の話ではないかというふうに私は思うわけであります。そのための審査とかチェックとかお互いの言い分をしっかり聞いて調整をする機関として労働委員会というものがこれはあるわけでありますので、労働委員会は専門の皆さん方がおられるわけでありますから、そちらのほうで事実関係をしっかり究明をし、必要があれば適切な審査をしっかりそこで行っていただいて、そして労使双方の歩み寄りを促されるならばそれも一つの方法でしょうし、適切な解決策を出していただければと、このように思うわけであります。
〔盛本芳久君発言を求む〕
○副議長(下沢佳充君) 盛本芳久君。
◆盛本芳久君 後者の、今の後のほうの話についてはあれですけれども、前者の問題ですけれども、貴重な血税がやはり無駄に使われておると、そういう観点もあると思うんですけど、その点についてはどうですか。
○副議長(下沢佳充君) 谷本知事。
〔知事(谷本正憲君)登壇〕
◎知事(谷本正憲君) これが無駄であるか無駄でないかというのはなかなかこれは難しいところだと思います。やはり北陸新幹線は、これは白山総合車両基地までつながないと完成はしないわけでありますし、そしてレールを曲げるわけにはいかないということでありますので、あの中央自動車教習所の用地は北陸新幹線を整備するためには必要かくべからざる土地ということでございますので、そこのところは、しかもこれは強制収用というわけにはなかなかいきませんので、相手方の御理解も得なきゃいかんということで、我々は鉄道・運輸機構から委託を受けて、そして交渉を重ねてお互い妥結するところまでこぎつけたということでございますので、この点はぜひまた御理解をいただきたいと、このように思う次第であります。
|