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2007年2月定例会 一般質問
質問の機会を得ましたので,以下教育施策を中心に数点質問を行います。
まず,昨年12月15日に成立いたしました改正教育基本法についてであります。
様々な教育課題解決のためには基本法改正がどうしても必要であるという改正根拠には疑問が残ったままですし,「急ぐ必要はない」という国民の声,大きな疑問と不信を生んだ「タウンミーティング」の総括もされないまま,数の力を借りたなりふり構わぬ改正強行は,教育の憲法を決めるにはあまりにもふさわしくないやり方であったといわざるを得ません,誠に残念です。
さて,この法律の改正により,教育内容に「愛国心」や「公共の精神」が色濃く反映されていくことが予想されます。某新聞の世論調査によれば,自分は愛国心があると答えている日本人の割合は78%に上っています。一方,戦争での日本の加害責任については反省すべきであると答えている人の割合も85%になっています。そして,愛国心があると思う人ほど反省が必要であると考える傾向が強いという結果も出ています。これが現代日本人を代表する感覚であろうと思います。もはや,自虐的な歴史教育が日本人の誇りを失わせてきたから愛国心が必要だというような図式で語る問題ではなくなっています。自らの国の歴史を冷静に見つめ,非は潔く認め,自国を愛し信頼を得ようとする,まさに品格のある日本人の姿がそこにあるのです。しかし,今後,狭い意味での国家主義・愛国心が強調され,国を愛する態度の評価や強要が行われるのではと危惧されます。この改正によって条文化された「我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重し,国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと」という目標について,どのような理解と扱いをすべきとお考えでしょうか。知事並びに教育長の所見を伺います。
次に,基本法の審議をめぐる国会答弁では,国会で決めた法律や,それに基づく政令,学習指導要領などの大臣告示を「国民の意思」とし,これと違う場合が「不当な支配」にあたるとしました。今後,地方が国の意向をくみながら,法や告示に従っているかどうかを厳密に確認する監視体制が強まる不安が生まれています。昨年の高校における必修教科の未履修問題のとりあげかたも,国の関与を強化するための布石だとの見方もあります。また,10日中央教育審議会は,教育関連3法案について答申し,文科省の改正案骨子にあった都道府県教委の教育長人事への国の関与と,私立学校への教委の指導については導入を否定したものの,文部科学大臣の教育委員会への指示などを認めるかどうかについては,「必要とする意見が多数」とする一方,「地方分権の流れに逆行する」という反対意見を併記する異例の結論になりました。知事も主張されているとおり,教育においてもさらなる地方分権が望まれるわけですが,改正基本法の内容は,国のコントロールが強め,分権型教育を阻害することにならないのか。知事の見解を求めます。
次に,高校における必修教科未履修問題とその背景について伺います。
富山県で明らかになり全国的に広がっていたこの問題は,石川県の何校かでも行われていました。昨年の11月から12月にかけ大きく報道もされ国民的な話題となりました。当時は連日報道もされましたが,履修のための補習時間の目安が示されてからは,メディアの取り上げは極端に減りました。しかし,この問題には今の教育に関する多くの課題が含まれていることも指摘されています。大学の受験科目にない教科より,関係ある科目を多く勉強して受験勉強を効率的にやりたいという生徒の思いはあるとしても,単にその希望に添ってカリキュラムの改変が行われたのではないと考えます。学校として指導要領を無視してまで行わなければならなかった理由とその背景は何なのか,つぶさに検証する必要があると考えます。
そこで,石川県教育委員会が行った調査において,履修条件を無視した理由の聞き取りが行われていると思いますが,その主な内容についてお聞かせください。また,履修漏れとなった教科や時数などの調査から,不正の背景を,県教委としてどのように分析されているのか伺います。
大学進学における実績を求められている高校の苦悩は大きく,授業コマ数を多くして受験学力をつけたいために,1日7限の日程を組む学校も多くあります。週5日,7コマでは35コマとなります。しかし,部活動にも時間をかけたいと考えれば,そのコマ数を32とか33コマにして,その時間を生み出さねばなりません。そこで必修教科に手をつけたとも考えられます。また,特色ある学校作りの中で大学合格者数の数値目標達成にあまりに縛られたとも考えられます。土曜補習も平日の授業と同様に行われていることはないのでしょうか。受験学力に偏ったこれまでの教育を是正しようとした現行指導要領のねらいとは裏腹に,入試第一主義に陥ってはいないか検証の必要があると考えます。文部科学省の方針,大学側の要請,県教委の指導責任も含め,教育長の見解を伺います。
また,小中学校においても学力低下の大合唱の中で,音楽,図工・美術,技術・家庭,体育の技能教科の軽視が進んでいないのか,児童・生徒の人格の完成という教育の目標に照らし,検証の必要があると考えますがいかがですか。
次に,この問題とも関連しますが,全国一斉学力テストについて伺います。
本年4月24日,全国学力・学習状況調査(全国一斉学力テスト)が行われます。実施要領によれば,この調査の目的は,「全国的な義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から,各地域における児童生徒の学力・学習状況を把握・分析することにより,教育及び教育施策の成果と課題を検証し,その改善を図る。」「各教育委員会,学校等が全国的な状況との関係において自らの教育及び教育施策の成果と課題を把握し,その改善を図る。」と発表されています。目的からみて,本調査は学力・学習状況の把握分析の資料を得るためと,各教育委員会,各学校がこの結果により全国的な状況における自らの位置を確認しがんばるためということになります。これまで文科省が実施してきた教育課程実施状況調査とは明確に目的が違っていると考えますが,教育長の認識をお聞きします。
さて,犬山市を除く全国の公立学校と60%を超える私立学校でテストが実施されることになります。目的も今の通りですから,ランキング上位を目指して努力すべし,それが学力向上につながる,と言っているのと同様です。結果公表における留意事項も示されていますが,過熱化も十分予想されます。先日の質疑では児童生徒の個人情報保護の観点での問題点の指摘がありましたが,その他いくつかの懸念についても質問いたします。
まず,この調査に先立ち昨年予備調査が何校かで実施されておりますが,この問題を練習問題として事前に対策が行われているやにもれ聞きます。そのような事実はありますでしょうか。また,このことで児童・生徒に新たな負担が生じるおそれはないか,見解を伺います。
また,低得点が予想される子どもの参加について,教員や他の子どもから欠席を促すなどの有形無形の圧力が加わることも考えられますが,どのような対策を講じていくのか伺います。
保護者や地域住民から,結果の情報公開を望む声が出ることも予想されますが,これに対してはどのような対応をすることになるのでしょうか。方針を伺います。
学校,市・町,県の名誉をかけて,このテストに臨むという図式になることが予想され,テスト学力一辺倒の指導へと教育が偏り,子どもや保護者の心に暗い影を落とすのではないかという,強い懸念がある以上,この調査は行われるべきではないと私は考えます。
県教委がこのように懸念する方向に,先頭に立って突き進むことはないと思いますが,各市・町教育委員会,各学校長,各担任教師にどのような対応を望み,助言と支援を行っていくおつもりか伺っておきます。
次に,今回もまた教職員の勤務実態についてお尋ねいたします。
文部科学省は本年度,無作為抽出された全国小中学校各180校において勤務実態調査を実施しています。昨年7月から10月分の暫定集計が発表されています。これについて,特徴的な結果を見てみますと,10月の通常期で,教頭の残業時間が毎日平均約3時間,校長と教諭の残業時間が約2時間となっています。そして,教諭は持ち帰り仕事が毎日平均約30分との結果になっています。
また,石川県教職員組合が11月に行った調査でも同様な結果が出ており,1か月に換算すると,小学校で約40時間,中学校では部活動も含め約80時間の残業が行われている実態が報告されています。
これらの調査結果が示す超過勤務の実態について,どのような感想をもたれたでしょうか。そして,最近各種メディアも取り上げている教職員の多忙化の実態についてどのような認識をおもちか,教育長の所見を伺います。
また,この多忙化は「やりがいのある忙しさ」とは異なります。授業研究や子どもたちとの遊びや勉強で時間を費やしてもそれほど苦にはならないのです。現実は,報告書の山を前に,パソコンのディスプレイと向き合う時間が多く,教職員に大きな精神的ストレスを生んでいる状況があります。病気休職者あるいは健康相談の数,また,学校長からの情報などを踏まえ,現状をどのように認識しておられますか。
これまで教育委員会が行ってきた,指定年齢での人間ドックへの補助やメンタルヘルス相談は今後さらに充実の必要性があると考えますがいかがですか。また,このような対症療法のみでは解決できない構造的な問題があると思います。各職場の衛星委員会や,市・町独自に設置する学校安全委員会でのこれまでの議論と今後の役割についてお答えください。
これまでの何度かの発言で勤務実態調査の実施と雑務排除を求めてきましたが,教育長は,勤務実態の把握とそれに応じた対応は学校長が適切に行っている,また,主任制の機能化や職員会議の効率化による組織的・機能的な運営が重要と答えられてきました。しかし,このような対応で職場環境は残念ながら改善しておらず,教職員間の情報交換とチーム・ワークに支障をきたし,子どもたち一人ひとりとのふれあいの時間の減少も現実のものとなっております。この解決は,第一には国の標準定数法の改正による教職員の配置改善であるべきですが,来年度は特別支援教育に係る教職員加配はあるものの,基本的には競争と脅しと精神論でしか現場を激励できない現政府の教育政策では,人員増の期待はきわめて薄いのです。であれば,県として人員増のための工夫が求められます。現在2年目である,小学校1・2年生での35人学級か支援講師の選択制は現場で歓迎され評価もされています。このような施策の拡大を求め以下現状と見解を伺います。
産休・育休等の代替講師を除き,本来の定数内で雇用されている講師の数と割合をお聞きいたします。そして,退職の状況からして講師の比率は大きすぎ,正規採用者の数が少ないのではないかと現場教職員も指摘しておりますが,その現状認識と今後の採用計画について所見を伺います。
かつての定数改善によって加配されている教職員の配置と運用については,文部科学省の総額裁量制方針に則り,持ち時間数の制限等を弾力化し,学級定数も含め,各学校の主体性にゆだねるべきと考えますがいかがですか。
この項目の最後に,教職員の職場環境改善に向けた具体的提案と,その取り組みに対する教育長の決意をお聞きしておきたいと思います。
いじめ問題とその対策について伺います。
「近ごろは規範を守らず,社会のしきたりを損なうものが大勢いる。これは教学の本意ではない。道徳を教え,誠実品行を尊重させるべきだ」という言葉は,明治12年明治天皇が発した「教学聖旨」の内容です。これに対し,内務卿の伊藤博文は異議を唱え,社会の乱れの大きな原因は,維新後の時代の変化にある。教育のせいだけではない。「速攻を求むべからず」と述べ,あわてて教育を変え,速やかな効果を求めてはならないと訴えたといいます。
「スピード感のある教育改革」というフレーズは近年政府や文部科学省がよく使います。教育再生会議や中教審の議論も不十分で,教育課題解決に速攻ばかりを求めているように思えます。
いじめ対策についても,教育再生会議報告は,子どもの懲戒見直しや出席停止の実施など,毅然とした対応の強調や徳目の列挙など短期的対応が目立ちます。県教委も,いじめ調査とそれにもとづく学校への適正な対応の指示や,いじめ対策事例集の配布などの緊急対応を行いましたが,長期的な対応の必要性はいうまでもありません。
現場が求めているのは,これまた教職員数の増であり,いじめる子もいじめられた子も,その子どもたちの声にゆっくりと耳を傾ける時間です。再生会議は教育委員会に,予算・人事・定数の面で学校を支援し教育困難校をなくすことを求めています。国が十分な人員の支援を約束していないのは無責任ですが,各市・町教育委員会,各学校に対し県教委としてはどのような支援を行う計画かお答えください。
いじめは差別であり,差別はいじめです。この差別を許さず,誰もがかけがえのない存在であり,大切にされる権利があることを互いに学びあい人間関係を築いていこうとするのが人権教育です。いじめを減らし,解決していくため人権教育の必要性はますます高まっています。石川県の人権教育の現状と充実に向けた,県教委のとりくみと現場への支援についてお聞きします。
次に,原子力発電に関し何点か伺います。
今年1月31日,東京電力は,運転する福島第1,福島第2,柏崎刈羽の全17基の原子炉のうち,13基で定期検査データ改ざん,ECCS関係機器の検査偽装,計器データねつ造・改ざん,計器指示値改ざんなど,数々の法令違反を繰り返していたと公表しました。不正は199件と膨大です。また,これらの不正は原子力発電所だけでなく火力や水力,地熱,風力など東電の発電部門全体に及んでおります。
動くはずのないポンプを動いているかのように偽装し,計器の指示値を不正に改造し,弁の検査を不正な操作ですり抜け,検出された放射能をなかったかのように改ざんする,というありとあらゆる悪質な方法によって検査をごまかし,原発の運転をつづけてきたのです。そして,これらの事実を長年にわたって隠ぺいしてきました。いまや,原発については「安心」どころか,「安全」も偽装されたものであることがあきらかになったのです。何度も何度も違法な検査逃れや不正な運転管理をくり返している東京電力に原発の安全を守ることはできません。東京電力は原発を運転してはなりません。
そして,東北電力・女川原発1号機でも、98年の原子炉の緊急停止を国などに報告せず,日誌にも記載せず事実隠蔽を行っていたことが昨日報道されました。
まず,知事にこのような不正を続けてきた東京電力や東北電力の企業体質についてどのような感想をおもちか伺います。また,東京電力は原発の無期限停止をまず行うべきであるとの現地の声があることをどのように受け止められますか。
次に,これら数々の違法・不正な行為を長年見抜けなかった原子力安全・保安院にも,原発の安全規制を行う能力はないといわなければなりません。経済産業省の中には,原発推進機関と原発チェック機関が同居しております。チェック機関として機能させるならば,経産省から独立した第3者機関であるべきです。知事の国,原子力安全・保安院のチェック体制に対する見解を伺います。
このような隠蔽体質は,残念ながらどの電力会社にも共通したものではないかと危惧するのですが,北陸電力・志賀原発に対し,県としてどのような指導を行ってきたのかお聞きいたします。
昨年は,志賀原発においても数々のトラブルが発生しています。6月には,羽根が損傷した中部電力浜岡原発の低圧タービンと同型の志賀原発2号機のタービンでも羽根の損傷が判明。8月,配管テープのはがし忘れで排水放射線モニターが機能せず。9月,2号機高圧タービンで金属粒約900個発見。10月,2号機の給水加圧排水弁からマーキングペン発見。11月,1号機で発電付属設備に記録紙の吸引が判明し,運転停止。1号機原子炉の中性子線量モニターでケーブル接続ミスのまま運転。そして,本年2月9日,2号機タービン建屋内にある給水加熱器の内部仕切り板に6個所のひび発見。
このように繰り返されるトラブルや人為ミスについて,もはや言葉だけの「保守管理の徹底」では県民の納得は得られません。そして,2号機については,営業運転後わずかで新品のはずが,損傷やひび発見など,明らかに設計ミス・不良品といか言いようがないという状況です。
このような異常事態に県として,どのような対応をとってきたのか。答弁を求めます。
石川県原子力環境安全管理協議会は,タービンの整流板による応急処置工事を認めましたが。日立の設計・施工と北陸電力のチェック体制には不信感が消えません。現状の問題点を明らかにし,新たなチェック体制を確立するまでは応急工事は凍結させるべきと考えます。見解を伺います。
以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。
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